こんにちは、東京都文京区本郷三丁目駅徒歩4分の税理士・谷澤です。
所得税確定申告真っ最中です。
とある後期高齢者医療保険適用の方の所得税確定申告で気づいた点があり、お知らせします。
後期高齢者医療保険の本人の医療費負担は所得によって1割であったり、3割であったりします。
その所得は所得税確定申告書を提出した場合、そのまま計算に流用されます。
都道府県により計算方法などに差はあります。
今回、このとある方、株式の譲渡益がありました。
証券会社で税金の精算を終えている(特定口座)のですが、過去に株式の売却損がありました。
その後の売却益と相殺できず、繰り越されてきた損失額があります。
今回、すなわち昨年、株式の売却益が出たので、申告すれば売却益は繰越損失と相殺され、所得税還付が受けられます。
更に、住民税も減額となります。
税務だけを考えると、所得税確定申告で、株式の売却益と過去から繰り越された売却損を相殺すれば、最も税負担が少なくなります。
ところが、この方、病院生活です。
医療費も相当高額です。
株式の売却益が結構大きく、過去の繰越売却損を大きく上回ります。
後期高齢者医療保険の負担が3割となります。
本人負担が3倍です。
税負担軽減額よりも大きな負担増となります。
結局、この方、株式の売却益と繰越売却損の相殺を選択しない、すなわち、確定申告に入れない道を選択しました。
税務だけに目が移りがちな所得税確定申告ですが、他の条件まで考慮する必要があるケースをご紹介しました。
東京都文京区の税理士による文京相続相談室(谷澤税理士事務所)は、相続税申告に限らず、相続相談や遺産整理、事業承継対策をお手伝いいたします。少額案件のご相談もお受けしております。
2016年2月29日