こんにちは、東京都文京区本郷三丁目駅徒歩4分の税理士・谷澤です。
ご相談を受けた事例で、注意すべき点をお伝えします。
相続において、遺産分割の際、分割が難しい財産があります。
例えば先祖伝来の家屋敷だけ不動産があり、他にめぼしい財産がない場合です。
昨今は民法による法定相続分の話が行き渡り、一昔前のような家を継ぐ長男が全て取得、などは通用しない時代です。
分割が厳しい財産を特定の相続人が取得した場合、他の相続人には代償分割が行われることを多く見受けます。
すなわち、取り分の多い相続人は、少ない相続人に対して、自身が所有する財産を代わりに渡すことです。
この代償分割の計算に生命保険金まで加味した相談を受けました。
相続人間の話が合意すれば、民法上の財産でない生命保険金まで含めて、相続分を計算することは問題ありません。
ただ、税務では時として問題が生じます。
民法上の相続財産でない生命保険金まで遺産分割に考慮してしまうと、取得した民法上の相続財産を超えた代償分割をすることが起こります。
例えば、取得した相続財産が1,000万円に対し、1,500万円を代償分割したらどうなるでしょうか?
答えは、取得した相続財産を超えて代償分割した500万円は贈与となります。
そうすると、次は贈与税の問題が生じます。
通常、代償分割財産は相続財産の取得の代わりなので、贈与税は発生せず、相続税の計算となります。
代償分割財産を渡した方は相続財産のマイナス、もらった方は相続財産をプラスして相続税計算を行います。
ですが、取得した財産額を超えた代償分割は、贈与税の対象です。
円満に相続財産を分けるのはいいのですが、時としてこのような贈与税の問題が起こるというお話でした。
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2015年11月28日