代償分割の税務

代償分割の税務

相続財産をわける基本は、遺された財産そのものをわけることです。
これを単純分割といいます。

遺された財産が現金なら分割が容易ですが、不動産等であれば分割が困難な場合があります。
ある相続人が、ある不動産を取得する、すると遺産分割の公平性を保てないことが起こりえます。
そこで、この不動産を取得した相続人は、他の相続人に対し、自分の手持ちの別の財産を渡すことがあります。
これを代償分割といいます。

代償分割の税務です。

?代償分割財産は相続税法上、相続財産を増加させません。
代償財産をもらう人→相続財産がその分増える
代償財産を渡す人→相続財産がその分減る
従って、相続人全員では財産総額に異動ありません。
代償分割を行ったからといって相続人全員の納税合計額が増額になることはありません。

?代償財産をもらうことにより、贈与税は課税されません。
代償財産は相続財産とみなされます。
従って、原則として贈与税の課税はありません。
但し、代償財産が相続財産を超えるようなものは、その超えた分が贈与税の対象となります。

?現金以外の財産を代償財産として提供すると、課税の可能性があります。
これは代償財産を渡す人の話です。
不動産や有価証券の場合、時価で渡すことになるので、含み益があれば所得税・住民税が課税されます。
代償分割という債務解消のため、財産を売却したとみなすのです。
なお、代償財産が不動産の場合、提供された人に不動産取得税が課されます。また、登記の際、登録免許税が課されます。

とある方から質問されました。
遺産分割の際に参考にしていただきたく、ブログの記事としました。

※相続に関するご相談は、東京都文京区の谷澤税理士事務所までご連絡下さい。

2011年11月9日