相続における民法と税法の違い? / 相続に強い税理士のブログ

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こんにちは、東京都文京区本郷三丁目の税理士・谷澤です。

前回?に続き、財産評価についてです。

前回は不動産評価でした。
今回は非上場株式の評価です。

相続税法においては、財産評価通達非上場株式の評価方法が規定されています。
基本的には
?類似業種比準価額方式
?純資産価額方式
の2つを併用または片方を利用します。

?は同業の上場株式の株価をスタート地点において、所定の調整を加えます。
?は会社が今、解散したら幾ら残るのかを、税法的観点から計算します。

詳細を記載するとキリがありませんので省略しますが、税法はこのように規定しています。

では、民法ではどう考えるのでしょうか?
法律では採用しなければならない評価方式の規定がありません。
税法による評価方法は1つの評価方法に過ぎません。
税法による評価方法以外にも評価方法が存在し、過去の裁判例でも様々な評価方式が採用されています。

法律の条文ですが、遺産分割とは話が違うものの、会社法177条第3項に規定があります。
相続が発生した所定の株式について、会社は相続人から株式を買取る場合の価額です。
これによりますと、「資産状態その他一切の事情を考慮する」と規定しています。
すなわち、資産状況がスタート地点と解釈できるのではないでしょうか?

なお、資産状況といっても、土地については税法は路線価です。
民法はいわゆる時価です。
同じ資産評価でも税法と民法に相違があります。

民法においては確立された評価方法が存在しないのです。

遺産分割においては評価の手間を省略するため、税法評価を利用することが多いようです。
なお、税法評価に納得できない相続人は、別の評価方法で評価し話し合うことになります。

争族回避には、税法規定を採用することが多いのではないでしょうか?

※個人の相続対策及び遺産整理について、東京都文京区本郷の谷澤税理士事務所では積極的に対応しております。
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2012年12月24日