こんにちは、東京都文京区本郷三丁目の税理士・谷澤です。
法人の関与先から相談のあった事項です。
会社経営者にご参考になるかと思い、ご紹介いたします。
会社が想定外に利益が出ました。
役員=株主ですが、役員にも利益還元を計画しています。
役員賞与と配当金、どちらが有利か?というご質問です。
・法人税の経費との関係
役員賞与は経費ですが、税務上損金計上できません。
配当は経費ではありません、当然損金計上できません。
どちらにせよ、会社はキャッシュアウトし、損金とならないのです。
ただし、役員賞与については社会保険料が賦課されるため、その分、法人の経費は増えます。
なお、この社会保険料、損金計上できます。
・所得税の関係
役員賞与であれば、給与所得控除(いわゆるサラリーマンの経費)を受けられます。
ただし、平成25年から年収1500万円を超えてしまうと、給与食控除は245万円で頭打ちです。
すなわち、収入増=課税対増です。
また、社会保険料もアップします。
社会保険料は所得税計算において社会保険料控除の対象となります。
配当は収入額=課税額ですが、配当額の5%(簡単にいうと年収1,000万円以下の場合は10%)の配当控除があります。
この配当控除、所得税額そのものを免除するのです。
こう考えると個人にとっては、配当の方が有利なものになります。
年収の少ない方には話が変わってきます。
法人にとっても社会保険料負担のない配当金の方が有利です。
・税以外の観点
役員=株主です。
役員賞与であれば、貢献度に応じて1人の金額の上下が可能です。
配当は持ち株数に応じて金額を決めるので、貢献度と別物となります。
さて、税をとるか、貢献度をとるか?経営陣の判断次第です。
※個人の相続対策及び遺産整理について、東京都文京区本郷の谷澤税理士事務所では積極的に対応しております。
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2012年11月13日