こんにちは、東京都文京区本郷三丁目の税理士・谷澤です。
遺産分割の話です。
近年は民法上の相続分を基準に分けることが多くなってきています。
これが争族を回避する有効策でもあります。
ただ、その時、全てのものを金銭的価値に置き換え、相続分を計算することになります。
現預金であれば金銭が明確に表示できるのですが、明確に置き換えることが困難なものがあります。
私が経験した例では、「刀剣」がありました。
刀剣の専門店に鑑定していただくのですが、その鑑定額で売れるという保証はありません。
また、鑑定する人によって値段のブレが生じます。
さて、今日の建物評価について考察します。
不動産でも土地は一般的に固定資産税評価額は時価の7割といわれています。
従って評価額を0.7で割れば時価に近くなります。
ただ、固定資産税評価は3年に一度の見直しです。
今年はその3年に一度の年ですが、来年と再来年も原則として同じ評価額となり、時の流れを反映しません。
そうすると、路線価は毎年見直しが入りますので、時価への対応力はあると思われます。
一般的に路線価は時価の8割、路線価による評価額を0.8で割れば時価に近くなります。
では、建物はどうでしょうか?
土地と同じように固定資産税評価額を0.7で割り戻せば時価となるのでしょうか?
新築時の建物の固定資産税評価は、建築価額より幾分かなり低い傾向にあります。
新築後は価値の目減り分の減価償却費を差し引いて評価します。
建物の時価評価は、その建物のメンテナンス状況などにより大きく変動するものですが、固定資産税評価は考慮しません。
また、固定資産税評価では構造により耐用年数を決定していますが、その耐用年数通り使える保証はありません。
不動産鑑定士あるいは一級建築士に査定していただくのが最適なのかもしれません。
但し、既述の刀剣のように、評価する人により金額に差が出ます。
話は遺産分割協議に戻ります。
遺産分割協議は相続人が納得できることが大切です。
相続人それぞれが査定する人を別々に手配し、それぞれが評価額の主張をしたとろこで話は進展しません。
そうなると評価額の客観性としては固定資産税評価額が最適なのかもしれません。
※個人の相続対策及び遺産整理について、東京都文京区本郷の谷澤税理士事務所では積極的に対応しております。
是非、ご相談下さい。
2012年7月21日