古い相続手続と相続税

古い相続手続と相続税

こんにちは、東京都文京区本郷三丁目の税理士・谷澤です。

古い相続手続の話です。

時折、昭和時代の相続手続のご依頼をいただきます。
お亡くなりになって何年も経過するのですが、相続手続、すなわち名義変更のための手続が全く行われていないことがあります。

旧民法(家督相続時代、第2次対戦直後)であれば、原則として家督相続手続により、相続手続をとります。
戸籍を見ると、家督相続についての記載があり、その戸籍を証拠として相続手続が進みます。

旧民法時代下にあって、家督相続手続がとられていない場合があります。
この場合は、現行民法の相続人が利害関係者となり、遺産分割協議を進めることになります。
何分、昔の手続ですから、利害関係者が多数にのぼる可能性があります。

さて、現行民法になってからの相続手続です。
相続手続が行われていないなら、何年経過しても遺言でもない限り、遺産分割協議による手続となります。
相続直後に行う場合に比べての違いですが、相続後に次の相続が発生した場合、自然と利害関係者が増加します。

ところで、相続税はどうなのでしょうか?

相続税の申告期限は、現在では相続を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
基本的には亡くなった翌日から10ヶ月以内です。
これを経過しても、期限後申告が可能です。
また、申告義務者が申告しない場合、税務署が調査の上、金額を決定することができます。
あるいは提出した申告書に誤りがあり、納税が少ない場合、その分を追徴することができます。
この期間が申告期限から5年です。脱税の場合は7年です。

ということは、仮に相続税の脱税案件であっても、税務行政は相続開始後7年10ヶ月経過すると、税額追徴ができません。

昭和の相続であれば、仮に脱税案件であっても、税務行政は何もできないのです。

古い相続手続が行われていない場合、その案件については、相続税について心配する必要はありません。

相続手続は時間が経過すればするほど、利害関係者が多くなり、手続が煩雑になります。
手続がとられていないことがわかったら、早く専門家に相談して下さい。

※東京都文京区の税理士による文京相続相談室(谷澤税理士事務所)は、相続税申告に限らず、相続相談や遺産整理、事業承継対策をお手伝いいたします。少額案件のご相談もお受けしております。

2014年7月8日