ご相談を受けた事例をご紹介いたします。
上場株式の株券がお手元にあるが、株主総会招集通知に記載された株式数と相違するというご相談です。
平成21年から上場株式に関しては紙の株券制度が廃止されています。
代わって証券保険振替機構(「ほふり」)に、証券会社の口座を通して登録することが原則です。
当然、証券会社に取引口座の開設が必要となります。
株券を手元に所有していても、株券自体に効力がありません。
ほふりに登録していない場合でも、株主としての権利は喪失していません。
株式の発行会社が開設した信託銀行等の口座で株主の情報が電子登録されています。
株主総会の権利行使、配当金の受領等、株主としての地位は不動です。
ほふりに登録していない場合の主なデメリットですが、株式の売却に手間と時間がかかります。
売却前に証券会社に口座開設(既に開設している場合は不要です)、株式発行会社の信託銀行等の特別口座から証券会社の口座に株式を電子移動させてから売却が可能となります。
この間、数日を要し、株式相場の変動により、希望額で売却できないことが生じかねません。
ほふりを利用していない場合、株式発行会社からほふりの利用をお願いする連絡が送付されています。
信託銀行等の特別口座の維持管理費は株式発行会社の負担となっており、この金額が結構な額になっているようです。
ほふりにした場合、証券会社の口座管理料は株主負担ですが、一定の条件を満たすと無料になることもあります。
ほふり利用は義務ではありませんので、利用するか否かはご自身でご判断下さい。
※個人の相続対策及び遺産整理について、東京都文京区本郷の谷澤税理士事務所では積極的に対応しております。
是非、ご相談下さい。
2012年5月30日