こんにちは、東京都文京区本郷三丁目駅徒歩4分の谷澤佳彦税理士事務所です。
平成30年度税制改正要望事項の相続関係のご紹介、その2です。
厚生労働省からあがっている要望の中に、「個人事業者の事業用資産にかかる事業承継時の軽減負担措置の創設」があります。
法人事業であれば、株式会社等に限定されますが、相続財産や贈与財産に自社株等の出資がある場合、納税猶予措置があります。
もっとも、納税の猶予であって免除ではありません。また、相続税の場合、税額の全額が猶予というわけでもありません。
本制度、要望をあげた厚生労働省が主管轄の医療法人は対象外です。
自社株の納税猶予、対象はあくまでも営利法人(一応、医療法人は医業であり、事業ではありません)が対象です。
なお、医療法人に対しては、社団で出資持分がある法人が、出資持分無に移行する一定の場合、税の恩典が発生する場合もあります。
現在、医療法人を設立すると、出資持分がない法人しか設立できず、出資に対する相続税の問題は生じません。
本日の記事は医療法人に関することではありませんので、医療法人の話はひとまず置きます。
話は戻り、既述の通り、株式会社等には自社株等に対する相続税や贈与税の納税猶予がありますが、個人事業主に対してはありません。
もっとも、事業用の土地に関しては、一定面積まで評価を8割減額して課税する特例がありますが、他の事業用財産に関しては恩典はありません。。
事業承継円滑化法という法律もありますが、個人事業主を対象としていません。
本要望は、法人と個人事業主の差をうめるように求める要望です。
ただ、具体的にはどのようにするのかは要望書には記載がありません。
「個人事業者の事業承継に当っては事業承継に不可欠な事業用資産の範囲を明確にするとともに、
その承継の円滑化を支援するための枠組みが必要であること等の問題があることに留意し、
既存の特例措置のあり方を含め、引き続き総合的に検討する」
という記載のみです。
平成27年度税制改正要望書から引き続き求め続けているものです。
平成30年度の税制改正で具体的な方策が提示されるのでしょうか?
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2017年9月5日